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2025年 地価上昇率ランキング — 全国で最も値上がりした街はどこ?

2025年、地価が最も上がった街は?

2025年3月に公表された公示地価のデータを見ると、全国的に地価の上昇傾向が鮮明になっています。全国平均では住宅地が前年比+2.1%、商業地が+3.5%と、いずれも4年連続のプラスを記録しました。ただし、上昇率は地域によって大きな差があります。ここでは注目すべきエリアをピックアップし、なぜそこが値上がりしているのかを掘り下げていきます。

商業地の上昇率が際立つエリア

北海道・千歳市周辺 — 半導体バブルの震源地

2025年の地価上昇率で全国トップクラスに躍り出たのが、北海道千歳市とその周辺です。ラピダス(Rapidus)の半導体工場建設が本格化し、関連企業の進出が相次いでいます。工場予定地に近い商業地では前年比20%を超える上昇を記録した地点もあり、住宅地でも10%前後の上昇が広がっています。

飲食店やホテルの新規出店、作業員向けの賃貸住宅需要の急増が地価を押し上げている格好です。地元では「半導体バブル」という言葉も聞かれますが、工場の本格稼働はこれからであり、中長期的な需要の裏付けがある点が単なるバブルとは異なります。

大阪・夢洲周辺 — 万博とIRへの期待

大阪市此花区を中心とした夢洲(ゆめしま)周辺エリアも高い上昇率を示しています。2025年の大阪・関西万博の開催に加え、IR(統合型リゾート)の開業計画が進行中で、周辺のインフラ整備に伴い商業地の地価が上昇しています。

大阪メトロ中央線の延伸により交通アクセスが改善されることも追い風です。ただし、万博後の需要の持続性については見方が分かれるところです。

東京・高輪ゲートウェイ周辺 — 再開発が生む新しい街

東京都港区の高輪ゲートウェイ駅周辺は、JR東日本による大規模複合開発「TAKANAWA GATEWAY CITY」の進行に伴い、商業地の地価上昇率が都内でもトップクラスです。オフィス、商業施設、住宅、ホテルなどが一体的に整備されており、新たなビジネス拠点としての期待が高まっています。

住宅地で注目の上昇エリア

福岡市 — 天神ビッグバンと人口増加

福岡市は政令指定都市の中でも人口増加率がトップクラスで、住宅需要の強さが地価に反映されています。天神地区の大規模再開発「天神ビッグバン」、博多駅周辺の「博多コネクティッド」が進行中で、都心部の住宅地・商業地ともに堅調な上昇を続けています。

福岡空港やJR博多駅からのアクセスの良さ、生活コストの相対的な安さも人口流入の要因です。

沖縄県 — インバウンドと移住需要

沖縄県は全国的に見ても地価上昇率が高い地域の一つです。インバウンド観光の回復によるホテル・商業施設需要に加え、リモートワークの普及で本土からの移住者が増加していることも住宅地の地価を押し上げています。那覇市だけでなく、北谷町や恩納村など中部のリゾートエリアでも上昇が目立ちます。

熊本県・菊陽町 — TSMCの波及効果

熊本県菊陽町はTSMC(台湾積体電路製造)の工場進出に伴い、全国で最も地価上昇率が高い町の一つとなっています。住宅地の上昇率は30%を超える地点もあり、近隣の合志市や大津町にも波及しています。人口増に伴う学校や商業施設の整備も進んでおり、街全体が急速に変貌を遂げています。

上昇率ランキングの読み方 — 3つの注意点

地価上昇率ランキングを見る際に注意しておきたいポイントがあります。

**1. もとの地価水準を確認する** 上昇率が30%でも、㎡あたり3万円が3万9千円になったのと、100万円が130万円になったのでは意味合いが全く異なります。上昇率だけでなく、絶対額も合わせて確認しましょう。

**2. 一時的な要因か構造的な要因かを見極める** 万博やイベントなど一時的な需要による上昇は、終了後に反動が出る可能性があります。一方、半導体工場や人口増加といった構造的な要因に基づく上昇は持続しやすい傾向にあります。

**3. 地点数の少なさに注意する** 調査地点が少ない町村では、1地点の変動がランキングに大きく影響します。複数の地点で同じ傾向が確認できるかどうかもチェックポイントです。

まとめ

2025年の地価上昇率ランキングを俯瞰すると、「半導体」「再開発」「インバウンド」「人口増加」の4つがキーワードとして浮かび上がります。いずれも日本経済の構造変化を反映した動きであり、地価という数字を通じて、街の未来を読み解くことができます。

気になるエリアの地価は土地ペディアの東京都地価データからも確認できます。全国の地価動向を定期的にチェックして、土地選びや投資判断の参考にしてみてください。