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不動産価格指数が5か月止まった — 2026年の日本に、高頻度な公的価格指標はもう無い

国土交通省が入る中央合同庁舎第3号館
キャプション: 東京都千代田区霞が関、国土交通省が入る中央合同庁舎第3号館。同省が公表する不動産価格指数は2026年8月27日付のお知らせで公表延期が告知され、再開日は未定のままです。 出典: Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)

はじめに — 価格の物差しが3つ同時に消えた

2026年9月13日現在、日本の不動産価格を月次で測る公的指標は動いていません。国土交通省の不動産価格指数は2026年3月31日公表分を最後に止まり、地価LOOKレポートは四半期公表から半期公表に変わり、民間で最も引用されてきた東京カンテイの「中古マンション価格天気図」も休止しています。残っているのは、年1回の地価公示と年1回の都道府県地価調査だけです。

やっかいなのは、いま止まったことです。レインズの首都圏中古マンション成約㎡単価は4カ月連続で下落し、バブル期の1990年10月の水準を割り込みました。相場が方向を変えかけている局面で、高頻度の物差しが同時に失われています。

この記事では、何がいつから止まっているのかを一次情報で整理したうえで、土地ペディアが保有する地価公示・地価調査の地点別データ6万点から、いま手元に残っている2つの統計で何が見えて何が見えないのかを検証します。

何が止まっているのか

1. 不動産価格指数 — 「プログラムの不具合」で5か月

国土交通省は2026年8月27日付で、8月31日に公開予定だった不動産価格指数(令和8年5月・第1四半期分)の公表延期を告知しました。理由は同省の原文で「算出時のプログラムに不具合が発生しており、原因の確認作業を行っております」というものです。

延期対象は令和8年1月分から5月分まで、および四半期分に及びます。公表済みの最新は令和7年12月・第4四半期分で、公表日は2026年3月31日でした。つまり本稿執筆時点で、5か月半にわたって新しい数字が1本も出ていません。指数が捉えているデータの時点で言えば、最新値は2025年12月の取引であり、9か月近く前の世界を見ていることになります。

再開時期について同省は「新たな公表日につきましては、日程が決まり次第、速やかにお知らせいたします」とするのみで、日付は示されていません。

2. 地価LOOKレポート — 四半期から半期へ

主要都市の高度利用地を不動産鑑定士が定点観測する地価LOOKレポートは、令和8年度から半期毎の公表に変更されました。現在の調査地区は44地区(住宅系21地区・商業系23地区)です。

直近の令和8年第1四半期(対象期間2026年1月1日〜4月1日)は、2026年6月26日に「主要都市の地価は9期連続で全地区において上昇」という見出しで公表され、44地区すべてが上昇となりました。次回公表は令和8年11月下旬頃で、第2四半期分と第3四半期分がまとめて出る予定です。

半期公表そのものは合理化の判断であって不具合ではありません。ただし結果として、6月末から11月末まで約5か月、この指標からも新しい情報は出てきません。

3. 東京カンテイ「中古マンション価格天気図」— 一時休止

民間側では、東京カンテイが2026年7月15日に月次レポート「中古マンション価格天気図」の一時休止を告知しました。同社の告知によれば「定期コンテンツの新設および見直しの一環として」の措置で、2009年から長年にわたって公表されてきたものです。再開時期は示されていません。

空白を一覧にすると

主な不動産価格指標の公表タイムライン。不動産価格指数と中古マンション価格天気図は2026年から空白が続き、地価公示と都道府県地価調査は年1回のまま
指標頻度状態次に数字が出るのは
不動産価格指数(国交省)月次・四半期令和8年1〜5月分が延期未定
地価LOOKレポート(国交省)四半期→半期令和8年度から半期公表令和8年11月下旬頃
中古マンション価格天気図(東京カンテイ)月次2026年7月15日に一時休止未定
地価公示(国交省)年1回令和8年分を2026年3月に公表済2027年3月頃
都道府県地価調査(国交省)年1回令和7年分が最新令和8年分は本稿執筆時点で未公表

出典: 国土交通省および東京カンテイの各公表資料より土地ペディア作成

「量」は止まっていない — 同じ日に明暗が分かれた

見落とされがちですが、国土交通省の不動産統計がすべて止まったわけではありません。価格指数と同じ2026年8月31日に、「量」の指数は予定どおり公表されています。

指数(令和8年5月分・季節調整値)全国前月比
既存住宅販売量指数(合計)125.0−3.5%
同・マンション124.2−4.4%
同・戸建住宅124.6−3.4%
法人取引量指数(合計)269.0−5.2%
同・住宅299.5−5.7%
同・非住宅215.2−8.1%

出典: 国土交通省「既存住宅販売量指数」「法人取引量指数」令和8年5月分(いずれも2026年8月31日公表)より土地ペディア作成

同じ日に、同じ省が、量は出せて価格は出せなかった。しかもその量は減っています。既存住宅販売量指数は前月比−3.5%、法人取引量指数は−5.2%で、特に非住宅の−8.1%は目を引きます。法人が動かなくなっているという情報だけが手元にあり、その取引がいくらで成立したのかは分からない。これが2026年夏の状態です。

東京都江東区東雲のタワーマンション群
キャプション: 東京都江東区東雲のタワーマンション群。中古マンション価格は建物込みの価格であり、更地の価格である地価とは別物ですが、月次で価格が取れる数少ない指標として代替的に参照されています。 出典: Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)

民間の価格指標は何を示しているか

公的な月次価格指標が空白になった結果、市場の目線は民間データに集中しています。ただしこれらはいずれも建物込みの価格であり、更地の価格である地価とは別物です。ここは混ぜてはいけません。

レインズ — 1990年10月の水準を割り込んだ

東日本不動産流通機構が2026年9月10日に公表した2026年8月度のMarket Watchでは、首都圏中古マンションの成約㎡単価が81.60万円/㎡、前年同月比−3.8%で4カ月連続の下落となりました。レインズ自身が「90年10月(83.50万円/㎡)の水準を下回った」と明記しています。

首都圏中古マンション(2026年8月)実績前年同月比
成約㎡単価81.60万円/㎡−3.8%(4カ月連続下落)
成約価格5,129万円−2.8%
成約件数3,180件−10.5%(5カ月連続減)
在庫件数48,235件+8.2%(6カ月連続増)
東京都区部 成約㎡単価132.69万円/㎡−0.3%(76カ月ぶり下落)

出典: 公益財団法人東日本不動産流通機構「月例速報 Market Watch サマリーレポート 2026年8月度」(2026年9月10日)より土地ペディア作成

注目すべきは東京都区部の132.69万円/㎡です。前年同月比−0.3%とほぼ横ばいながら、2020年4月以来76カ月ぶりの下落となりました。6年以上続いた連続上昇が途切れたことになります。

新築は最高値 — ただし注記を落とさないこと

一方、不動産経済研究所が2026年8月20日に公表した2026年7月の首都圏新築分譲マンション市場動向では、平均価格1億6,493万円、㎡単価236.9万円といずれも最高値を更新し、㎡単価は15カ月連続の上昇です。

ただし同社は発表資料の見出し自体で「23区内の大規模物件始動で最高値を更新」と物件構成要因を明示しています。実際、都心6区の発売は440戸で平均4億3,699万円・㎡単価556.1万円、前年同月の351戸・1億9,004万円・273.7万円から供給内容が入れ替わっています。この注記を落として「新築は上がり続けている」とだけ読むのは誤りです。

新築が最高値で中古がバブル期水準割れという一見矛盾した並びは、指標の性質の違いによるところが大きく、価格の方向を判断する材料としては扱いに注意が必要です。金利との関係については金利と地価の関係、マンション価格と地価の連動についてはマンション価格と地価の相関もあわせてご覧ください。

残った2つ — 地価公示と地価調査

ここからは、いま確実に手元にある2つの公的統計を地点別データで見ていきます。土地ペディアは地価公示(L01)と都道府県地価調査(L02)の地点データを保有しており、林地を除く60,166地点、うち95.5%にあたる57,441地点が1983年以降の年次履歴を持っています。

半年ずれた2つの断面

地価公示の価格時点は1月1日、地価調査の価格時点は7月1日です。最新同士を並べると、ちょうど半年ずれた2枚の断面になります。

統計価格時点地点数住宅地 平均変動率住宅地 下落地点比率商業地 平均変動率商業地 下落地点比率
地価公示 L012026年1月1日25,519+2.15%21.1%+4.26%17.5%
都道府県地価調査 L022025年7月1日21,001+0.98%39.3%+2.81%29.0%

出典: 国土交通省「地価公示」「都道府県地価調査」の地点別データ(国土数値情報)より土地ペディア集計。林地を除く同一地点の前年比

数字の差の大半は、価格時点が半年ずれていることと、そもそも調査地点の集合が違うことによります。地価公示は都市計画区域を中心に設定され、地価調査は都市計画区域外も含めて広く配置されるためです。上昇率の高い断面と低い断面を「勢いが落ちた」と読むのは誤りで、この2つは比較対象ではありません。

地価調査だけが見ている361市町村

地価調査は1,888市町村を対象とし、うち1,527市区町村には地価公示もある。差の361市町村は地価調査にしか載らない
地価調査のみの361市町村は2025年住宅地が−0.96%・下落77.0%、地価公示もある1,527市区町村は+1.13%・下落36.5%

ここに、いま重要な事実があります。最新年で比べると、地価公示の地点があるのは1,527市区町村、地価調査の地点があるのは1,888市区町村です。地価調査にあって地価公示に無い市町村は361ありますが、逆に地価公示にあって地価調査に無い市町村はゼロでした。

つまり、この361市町村について地価を知る方法は、年1回の地価調査しか存在しません。そしてその361市町村は、残りの日本とはまったく違う動きをしています。

2025年・住宅地地点数平均変動率下落地点比率
地価調査だけがカバーする361市町村1,008−0.96%77.0%
地価公示もある市区町村13,565+1.13%36.5%

出典: 国土交通省「都道府県地価調査」の地点別データより土地ペディア集計(価格時点2025年7月1日、林地を除く)

全国平均が+0.98%で上昇している同じ年に、この361市町村では平均−0.96%、地点の77.0%が下落しています。住宅地で2地点以上ある318市町村のうち、259市町村(81.4%)が市町村平均でマイナスでした。商業地はさらに厳しく、平均−1.57%、下落地点比率80.8%です。

しかも改善はしています。同じ361市町村の住宅地は2021年に−1.74%(下落83.2%)だったものが、2022年−1.50%、2023年−1.22%、2024年−1.06%、2025年−0.96%と、5年かけてマイナス幅を0.78ポイント縮めてきました。ただし依然としてマイナスであり、全国が+0.98%まで戻っているのとは別の時間が流れています。

年(価格時点7月1日)361市町村 住宅地下落地点比率全国 住宅地
2021−1.74%83.2%−0.47%
2022−1.50%80.9%+0.12%
2023−1.22%79.9%+0.68%
2024−1.06%77.9%+0.91%
2025−0.96%77.0%+0.98%

出典: 国土交通省「都道府県地価調査」の地点別データより土地ペディア集計

ニセコ町に公示地価は無い

この361市町村は「地味な過疎地だけ」ではありません。たとえば北海道ニセコ町には地価公示の地点が1つもなく、地価調査の5地点だけが存在します。その5地点の2025年は住宅地が+12.6%・+13.9%・+13.0%・+15.6%、商業地が+11.3%という数字です。

地価調査のみでカバーされる主な自治体(2025年住宅地)地点数平均変動率平均価格
北海道真狩村2+19.35%7,400円/㎡
北海道ニセコ町4+13.78%19,650円/㎡
沖縄県今帰仁村2+11.15%12,510円/㎡
沖縄県恩納村5+10.72%38,160円/㎡
北海道留寿都村2+8.10%5,600円/㎡
沖縄県竹富町4+5.95%8,225円/㎡
宮城県色麻町3−4.53%6,993円/㎡
北海道えりも町3−4.53%6,367円/㎡
福島県矢祭町3−3.83%9,410円/㎡
北海道豊頃町2−5.60%2,450円/㎡

出典: 国土交通省「都道府県地価調査」の地点別データより土地ペディア集計(価格時点2025年7月1日)

隣接する倶知安町には地価公示の地点があり、2026年1月1日時点でニセコひらふ5条の住宅地が200,000円/㎡(+10.5%)、商業地が181,000円/㎡(+16.0%)を記録しています。同じスキーリゾート圏でありながら、町境の片側は年2回(公示と調査)観測され、もう片側は年1回しか観測されない。日本で最も値上がりしている場所の一つが、実は最も観測頻度の低い統計にしか載っていないわけです。

逆向きの例が千葉県南房総市です。ここも地価公示の地点がなく、地価調査の26地点だけで測られています。26地点すべてが横ばいか下落で、住宅地の最安地点は3,700円/㎡(−0.5%)でした。愛媛県伊方町の12地点、熊本県上天草市の12地点、秋田県三種町の10地点も同様に、地価調査だけが見ている自治体です。

ニセコアンヌプリとひらふ地区の街並み
キャプション: 北海道倶知安町のニセコひらふ地区。倶知安町は地価公示と地価調査の両方に地点があるが、町境を越えたニセコ町には地価公示の地点が存在せず、年1回の地価調査だけが観測している。 出典: Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)

44年の年次系列で、いまの位置を測る

地価公示の全国平均変動率の推移。住宅地は1990年+18.93%から1992年に−5.86%へ転落し、2026年は+2.15%。商業地は2026年+4.26%

高頻度の指標が無いなら、長い年次系列で位置を測るしかありません。土地ペディアの保有データは1983年から2026年までの44年分の価格履歴を含んでいるため、地価公示の住宅地について同一地点ベースの年次系列を復元できます。

住宅地 平均変動率下落地点比率
1990+18.93%6.1%
1991+10.93%3.1%
1992−5.86%57.6%
1996−2.30%61.8%
2004−5.74%97.5%
2010−4.12%99.6%
2015−0.38%49.8%
2020+0.84%35.4%
2021−0.40%57.7%
2024+1.97%24.0%
2025+2.12%22.2%
2026+2.15%21.1%

出典: 国土交通省「地価公示」の地点別価格履歴より土地ペディアが同一地点系列で復元。国土交通省の公表値とは一致しません(後述の注意参照)

この系列から読み取れることは3つあります。

  • 転換は下落地点比率に先に出る。1990年の下落比率は6.1%だったが1992年に57.6%へ跳ね、平均変動率は同じ年に+10.93%から−5.86%へ振れた
  • 2026年の下落比率21.1%は44年で最も低い水準に近く、2004年の97.5%・2010年の99.6%とは対極にある
  • 直近3年の平均変動率は+1.97%→+2.12%→+2.15%とほぼ横ばいで、加速していない

平均変動率だけを見れば「5年連続上昇の途中」ですが、伸びが止まりつつあるのも事実です。1992年の例が示すとおり、この種の転換はまず下落地点の数として現れます。だからこそ、下落比率を月次で追えない現在の状況は情報の欠落として効いてきます。

南房総市から見た館山湾
キャプション: 千葉県南房総市から見た館山湾。南房総市には地価公示の地点がなく、地価調査の26地点すべてが2025年に横ばいまたは下落だった。 出典: Wikimedia Commons(CC0)

今後の見通しと、読者がいま見るべきもの

この空白はいつ埋まるか

令和8年都道府県地価調査は、本稿執筆時点(2026年9月13日)で未公表です。国土交通省の報道発表一覧にも都道府県地価調査のページにも令和8年分の掲載はなく、公表日を予告する一次情報も確認できていません。過去3年はいずれも9月の第3火曜(2025年9月16日、2024年9月17日、2023年9月19日)に公表されていますが、これは実績であって予告ではありません。

不動産価格指数については再開日が未定です。地価LOOKレポートは11月下旬に半年分がまとめて出ます。つまり今後2か月余りのあいだに新しい価格情報をもたらしうる公的統計は、地価調査1本だけという計算になります。

実務上、いま何を見るか

  • 更地の価格を知りたいなら、地価公示(1月1日時点)と地価調査(7月1日時点)を必ず分けて見る。半年ずれた2枚の断面であり、混ぜると意味が壊れる
  • 北海道長野県沖縄県など地価調査だけがカバーする市町村が多い地域では、年1回の地価調査が唯一の公的情報源になる
  • 平均変動率より下落地点比率を見る。転換はまず地点数の分布に現れ、平均には遅れて出る
  • 月次で動くレインズや不動産経済研究所の数字は建物込みの価格であり、更地の地価とは直結しない。特に新築の平均価格は物件構成の影響を強く受ける

上昇要因とリスク要因

上昇側では、地価LOOK44地区すべてが9期連続で上昇していること、地価公示住宅地の下落地点比率が44年で最低水準にあること、東京都港区大阪市北区横浜市西区といった中心部で再開発が続いていることが挙げられます。

リスク側では、レインズの中古マンション成約㎡単価が4カ月連続で下落し在庫が6カ月連続で増えていること、法人取引量指数の非住宅が前月比−8.1%と落ちていること、そして長野県白馬村のようなリゾート地を含め地方部の二極化が続いていることが挙げられます。地方の下落エリアについては地価が下落しているエリア、価格帯ごとの分断については地価の価格帯断層もあわせてご覧ください。

よくある質問

Q. 不動産価格指数が止まっているなら、地価公示を代わりに見ればよいのでは?

A. 代わりにはなりません。不動産価格指数は実際の取引価格をもとにした月次・四半期の指数で、建物を含む住宅・商業用不動産を対象とします。一方、地価公示は不動産鑑定士による鑑定評価をもとにした年1回の調査で、対象は更地としての土地です。測っている対象も頻度も手法も違うため、両者は補完関係にあると考えるべきで、置き換えはできません。

Q. 地価公示と地価調査は、どちらを見ればよいですか?

A. 用途によります。1月1日時点の最新断面がほしいなら地価公示、7月1日時点の断面と地方部までのカバレッジがほしいなら地価調査です。特に地価公示の地点が無い361市町村では、地価調査が唯一の公的な情報源になります。両者は価格時点が半年ずれているため、同じ年の数字として並べて比較することはできません。

Q. 記事に出てくる1983年からの年次系列は、国土交通省の発表値と同じものですか?

A. 違います。この系列は2026年時点で現存する地点の価格履歴から土地ペディアが復元した値です。過去年の集計対象は当時の全地点ではなく、その後も調査地点として残った地点だけなので、長期にわたって維持されやすい都心部の地点に偏ります。国土交通省が当時公表した数値とは一致しませんので、傾向を読むための参考値としてご利用ください。

まとめ

2026年9月の日本には、不動産価格を月次で測る公的指標がありません。国土交通省の不動産価格指数はプログラムの不具合で5か月半にわたって公表が止まり、地価LOOKレポートは半期公表となって次は11月下旬、東京カンテイの価格天気図も休止中です。同じ日に公表された「量」の指数は既存住宅販売量が前月比−3.5%、法人取引量が−5.2%と減速を示しており、量だけが見えて価格が見えないという非対称が生じています。

残された地価公示と地価調査は、いずれも年1回です。そして地価調査だけがカバーする361市町村では、2025年の住宅地が平均−0.96%、地点の77.0%が下落しており、全国平均+0.98%とは別の現実が進行しています。相場の転換点でこそ細かく見たい場所が、最も粗い解像度でしか見えない。これが現在の地価統計の構造です。

当面は、年1回の断面を地点単位まで分解し、平均値ではなく下落地点比率の変化を追うことが、最も確度の高い読み方になります。

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出典・参考 - 国土交通省「不動産価格指数」公表延期に関するお知らせ(2026年8月27日付) - 国土交通省「地価LOOKレポート」(令和8年第1四半期、2026年6月26日公表) - 国土交通省「既存住宅販売量指数」令和8年5月分(2026年8月31日公表) - 国土交通省「法人取引量指数」令和8年5月分(2026年8月31日公表) - 国土交通省「地価公示」(国土数値情報 L01、価格時点2026年1月1日) - 国土交通省「都道府県地価調査」(国土数値情報 L02、価格時点2025年7月1日) - 公益財団法人東日本不動産流通機構「月例速報 Market Watch サマリーレポート 2026年8月度」(2026年9月10日公表) - 株式会社不動産経済研究所「首都圏 新築分譲マンション市場動向 2026年7月」(2026年8月20日公表) - 株式会社東京カンテイ お知らせ(2026年7月15日付)

※本記事の地価データは、土地ペディアが国土交通省「地価公示」および「都道府県地価調査」の地点別データから独自に集計したものです。市町村・全国単位の平均は対象地点の単純平均であり、国土交通省の公表値と細部が異なる場合があります。林地は集計から除外しています。1983年以降の年次系列は2026年時点で現存する地点の価格履歴から復元したもので、過去年の集計対象は当時の全調査地点ではありません。長期存続地点に偏るため、国土交通省が当時公表した数値とは一致しません。市町村カバレッジの集計は各調査の最新年(地価公示は2026年、地価調査は2025年)の地点のみを対象としています。レインズおよび不動産経済研究所のマンション価格は建物を含む価格であり、更地の地価とは直接比較できません。地点数の少ない自治体では平均値の振れが大きくなる点にご留意ください。

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